FREA総合パンフレット
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10研究目標風力発電は実用化が進んでいますが、より一層の普及とグリッドパリティ実現に向け、更なる発電コストの低減が必要です。そのためには、風車本体のハード的な高性能化に加え、事前の適地選定・発電電力量評価、運転時の発電電力量予報といったソフト的な高度化が必要です。風力エネルギーチーム高性能風車要素技術およびアセスメント技術風を読む数値気象モデル衛星リモートセンシング①高性能風車要素技術 風車の上流側の風速・風向を把握できる新しい技術としてナセル搭載LIDARに着目し、高性能なナセル搭載LIDARプロトタイプ機を開発・実証します。ナセル搭載LIDARによって得られる風車上流側の風速情報に基づき、風車の予見制御(ヨー制御、ピッチ制御)を行うことにより、風車の出力を改善するとともに、風車翼への負荷を減少させ風車の信頼性・寿命を改善することが可能であり、基礎研究、実証研究を進めています。②風力発電アセスメント技術の高度化 洋上でのマストによる現場風況観測は、実証研究を除き、経済的に極めて困難であることが挙げられます。高コストな洋上での現場観測に代わる新技術として、衛星リモートセンシング及び数値気象モデルを援用した洋上風況推定技術を開発しています。数値気象モデル及び衛星リモートセンシングの活用により、低コスト化(数億円(1/5~1/10)以下)が期待されています。研究内容 当チームでは、さらなる発電コストの低減に向け、高性能風車要素技術及びアセスメント技術の確立を目指すとともに、そうした優れた技術開発を通じて、国内の風力発電産業界との協業により技術の早期実用化を図り、国内導入の加速と日本の風力発電産業の国際競争力向上を目指しています。①風車単体・ウィンドファーム全体を高性能化(高出力化・長寿命化)する要素技術を開発・実証することにより、発電電力量+5%以上、風車寿命+5~10%以上の向上の目標を掲げています。②風力発電アセスメント技術の高度化を達成することにより、誤差±5%以下、計測・評価コスト20~30%削減の目標を掲げています。所内試験研究用風車に搭載したナセル搭載LIDARの計測事例(視線方向風速分布)※LIDAR: Light Detection and Ranging(レーザ光によって風向・風速をリモート計測する装置)の略風を読む

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