FREA総合パンフレット
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14研究目標火山国である我が国には膨大な地熱エネルギーが存在しています。地熱エネルギーは気象条件等に依存せず安定しているため、再生可能エネルギーの中ではベースロードを賄う役割が期待されています。地熱チーム地熱適正利用のための技術 現在、当チームでは、地熱の適正利用を実現するために、国や民間企業等からの委託を受け、様々なプロジェクトを実施しています。それとともに、地熱システムの科学的理解の深化へ向け、地球科学に関連した様々な基礎研究も実施しています。地下は不可視であり、また、地熱資源の特性は地域に大きく依存するため、地熱研究では、フィールドで実データの取得を行ない、それをベースに研究を行うことが非常に重要です。このため、東北地方を中心とした多数のフィールドで、野外実験、モニタリング、機器テスト等を実施しています。 当チームでは主に以下の目標達成を目指しています。●MEMS、光ファイバ等を利用したセンシングシステムの開発、多元非定常信号処理、統合解釈法等の高度解析技術の導出により貯留層内で生じている現象の理解と可視化を目指しています。●産総研が有する膨大な地熱資源情報を高度データベース化するとともに地球熱シミュレータの開発を通じて最適な開発手法の提示や温泉との共生を実現します。●室内実験やシミュレーションを通じて水圧刺激や注水による貯留層の最適作成・制御技術を開発します。これにより地域に依存しない開発・利用方法を導出します。●沈み込み帯に起源を有する超臨界地熱資源の開発可能性を探求し、2050年以降に大規模ベースロード発電のために利用可能にすることを目指します。沈み込み帯に起源を有する超臨界地熱資源の開発による、数10GW~数100GWの発電可能性を提唱しました。現在、2050年以降にベースロード電源として利用可能にするための研究企画の立案を進めています。 当チームでは「地熱の適正利用」をキーワードに、地熱エネルギーを地下や社会の状態に合わせて適正な規模および形態で持続的に利用するための研究開発を実施しています。短期的には、温泉と共生した地熱発電のためのモニタリング機器の開発や貯留層変動の高度モニタリング等によ り、持続的な発電と発電量の増大に直接的に寄与することを 目指しています。また、長期的には沈み込み帯に起源を有する超臨界地熱資源を利用した革新的発電法の開発や、地熱エネルギーの社会実装法の導出等により、ベースロード電源として地熱エネルギーを大規模に利用可能にします。地震波解析等の結果は、古火山・古カルデラ下部(4~5km)に1%程度の超臨界水を含むマグマ起源火山岩体の存在を示唆しています。東北地方で50以上の古火山・古カルデラが存在します。研究内容地熱研究開発の必要性FREA地熱研究のロードマップ超臨界地熱システムの概念古カルデラの分布(Oyagi, 2003)地な発を実施しためのモニング等により目る超ネルて地地球の恵み 地球の恵み 

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