FREA総合パンフレット
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8太陽光、風力などの再生可能エネルギーは、資源に乏しい我が国にとって貴重な国産エネルギー資源ですが、日照や風況の適地は偏在し、得られる発電電力も変動します。水素キャリア製造技術は、再生可能エネルギーを利用して水素を製造し、その水素を大量、長期、安全に、そして安価に貯めるように触媒等を使って化学変換する技術であり、偏在し変動する再生可能エネルギーを大量に導入するために必要不可欠な技術です。水素キャリアチーム水素キャリア製造・利用技術貯める再生可能エネルギーからの水素キャリア製造・利用研究目標 当チームでは、我が国が直面するエネルギー問題の解決に貢献するため、再生可能エネルギーの大量導入を支えるエネルギー貯蔵・利用技術を開発しています。再生可能エネルギーを化学変換して水素や水素キャリアとし、電気、熱、水素など様々な形でエネルギーを供給・利用するための技術開発を行っています。この技術は、自然状況により左右されて変動する再生可能エネルギー発電電力の吸収あるいは電力系統の調整力としても応用できます。また、大量の再生可能エネルギーを、季節や場所を問わず効率的に利用できるようになります。研究内容 当チームでは、変動電力を使う水素製造から触媒を使う水素キャリアへの化学変換、及び熱機関での利用までの一連の技術を開発しています。水素キャリア製造・利用触媒や水素エンジン制御などの要素技術を大型実証機等へ応用し、実証研究から得られた知見を要素技術の改良や新たなブレークスルーへと導きます。●水素キャリア(有機ハイドライド、アンモニア、ギ酸等)の高効率製造技術:高効率(省エネルギー)な触媒合成技術の確立※メチルシクロヘキサン(MCH):6wt.%の水素を有する常温常圧で液体の有機物。1LのMCHで500Lの水素ガスを貯蔵。※アンモニア:17wt.%の水素を有する窒化物。1Lのアンモニアで1,300Lの水素ガスを貯蔵。※ギ酸:4wt.%の水素を有する常温常圧で液体の有機物。二酸化炭素と水素を合成して製造。1Lのギ酸で600Lの水素ガスを貯蔵。●水素利用拡大のためのコジェネエンジン技術:コジェネエン主な研究設備水素化・脱水素の触媒反応をオンラインガスクロマトグラフにより分析する装置です。再生可能エネルギー由来を模擬した変動水素も供給可能です。ジンやガスタービンによる利用技術の確立●水素キャリア製造・利用統合システム実証:再生可能エネルギー発電の貯蔵・利用最適化システムの提案水素着脱反応触媒評価装置水素流量~10,000㎖/minトルエン・MCH流量~10g/min4気筒ディーゼルエンジン(排気量:5.2L)を用いて、水素や軽油等の複数燃料の混焼実験や過渡運転実験が可能です。次世代コジェネエンジン実験装置貯める3H2+C6H5CH3N2+3H22NH3H2+CO2HCO2HC6H11CH3高温排気脱水素反応器脱水素反応器水素噴射部燃料として供給水素発生H2低温排気トルエン C6H5CH3MCH C6H11CH3C6H11CH3➡3H2+C6H5CH3

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