再生エネルギー研究センターパンフレット
10/20

太陽光チーム−薄型結晶シリコン太陽電池モジュール技術− 当チームでは、高効率・高信頼性モジュール(変換効率目標22%)を低コストで作製するための技術開発として、以下の課題に取り組んでいます。●シリコンインゴット高精度スライス技術(薄型ウェハの作製)●高効率セル作製技術(PERC型セル、バックコンタクト型セルなど)●モジュールの高効率化・高信頼性化技術(新規評価技術や部材などの開発) また、次々世代の高効率(セル変換効率30%以上)太陽電池の開発として、スマートスタック技術の研究にも取り組んでいます。これらの課題に取り組むことにより、2020年に14円/kWh、2030年に7円/kWhの発電コスト目標を先導するための技術開発を実施しています。 太陽光発電の将来にわたる持続的な普及・発展には、その中心となる結晶シリコン太陽電池セル・モジュールの一層の高効率化・低コスト化が必要です。当チームでは、結晶シリコンインゴットのスライスからセル・モジュールまでの一貫試作施設を構築し、ウェハ・セル・モジュールを一体とした研究開発を進めています。 以下に主要な研究開発課題を示します。●薄型ウェハの作製技術 ダイヤモンドワイヤーを用いたスライス技術を開発しています。現在のウェハ厚さ(0.2mm)から 0.12-0.1mmへの薄型化を目指しています(セルの厚さ0.18mmから 0.1-0.08mm)。 また、クラックや亀裂とウェハ強度低下の関係を解明することにより、薄くても割れにくいウェハの開発や、ウェハ洗浄工程などにおける歩留り向上を図っています。太陽光発電は、2012年7月から開始した固定価格買取制度のもと、急速に導入量が増加してきました。それまでの住宅の屋根への設置に加えて、メガソーラと呼ばれる大規模発電所が各地に設置されるようになっています。このように太陽光発電の普及が進む一方、再エネ賦課金による国民負担も増加しています。このため、太陽光発電のコスト低減は、最も重要な課題となっています。●新しいセル作製プロセスの開発 熱拡散技術だけではなくイオン注入技術を用いたセル作製プロセスの開発に取り組んでいます。このイオン注入技術を有効に用いることでバックコンタクトセル作製のための工程数を大幅に削減することを目指しています。●モジュールの信頼性向上・新規評価方法の開発 絶対EL(Electroluminescence)法による電圧マッピングによる新しいモジュールの評価方法を開発しています。絶対EL法では、太陽電池に順バイアスをかけ、セルからの発光強度から個々のセルの電圧を破壊することなく評価が可能です。太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)絶対EL(Electroluminescence)法による電圧マッピングウェハ(セル)の薄型化研究目標研究内容9

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る