再生エネルギー研究センターパンフレット
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水素キャリアチーム-水素キャリア製造・利用技術- 当チームでは、我が国が直面するエネルギー問題の解決に貢献するため、再生可能エネルギーの大量導入を支えるエネルギー貯蔵・利用技術を開発しています。再生可能エネルギーを化学変換して水素や水素キャリアとし、電気、熱、水素など様々な形でエネルギーを供給・利用するための技術開発を行っています。この技術は、自 当チームでは、変動電力を使う水素製造から触媒を使う水素キャリアへの化学変換、及び熱機関での利用までの一連の技術を開発しています。水素キャリア製造・利用触媒や水素エンジン制御などの要素技術は大型実証機等へ応用し、実証機等から得た知見は要素技術の見直しや新たなブレークスルーへと導きます。●水素キャリア(有機ハイドライド、アンモニア、ギ酸等)の高効率製造技術:高効率(省エネルギー)な触媒合成技術の確立 ※メチルシクロヘキサン(MCH):6重量パーセントの水素を有する常温常圧で液体の有機物。1㍑のMCHで500㍑の水素ガスを貯蔵。 ※アンモニア:17重量パーセントの水素を有する窒化物。1㍑のアンモニアで1,300㍑の水素ガスを貯蔵。 ※ギ酸:4重量パ―セントの水素を有する常温常圧で液体の有機物。二酸化炭素と水素を合成して製造。1㍑のギ酸で600㍑の水素ガスを貯蔵。●水素利用拡大のためのコジェネエンジン技術:コジェネエンジンやガスタービンによる利用技術の確立●水素キャリア製造・利用統合システム実証:再生可能エネルギー発電の貯蔵・利用最適化システムの提案太陽光、風力などの再生可能エネルギーは、資源に乏しい我が国にとって貴重な国産エネルギー資源ですが、日照や風況の適地は偏在し、得られる発電電力も変動します。水素キャリア製造技術は、再生可能エネルギーを利用して水素を製造し、その水素を大量、長期、安全に、安く貯めるように触媒等を使って化学変換する技術であり、偏在し変動する再生可能エネルギーを大量に導入するために必要不可欠な技術です。5再生可能エネルギーからの水素キャリア製造・利用水素着脱反応触媒評価装置水素化・脱水素の触媒反応をオンラインガスクロマトグラフにより分析する装置です。再生可能エネルギー由来を模擬した変動水素も供給可能です。次世代コジェネエンジン実験装置4気筒ディーゼルエンジン(排気量:5.2L)を用いて、水素や軽油等の複数燃料の混焼実験や過渡運転実験が可能です。研究目標研究内容然状況により左右されて変動する再生可能エネルギー発電電力の吸収あるいは電力系統の調整力としても応用できます。また、大量の再生可能エネルギーを、季節や場所を問わず効率的に利用できるようになります。主な研究設備

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