被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
15/65

平成25年度被災地企業の技術シーズ評価プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)共同研究技術シーズ技術的支援まとめ高杉真司1・舘野正之1 ・吉岡真弓2 ・高橋保盛2 ・シュレスタガウラブ2 ・内田洋平2 ・石原武志2 1ジオシステム株式会社2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター本研究は、独立行政法人産業技術総合研究所の平成25年度被災地企業の技術シーズ評価プログラムにて、課題名「地下水移流効果を有効利用した高効率地中熱交換器の評価」として採択されたもので、産業技術総合研究所より技術的協力・支援を受けたものです。企業のシーズと産総研の評価結果:•本熱交換器は地下水流動による熱移流効果により,熱交換が準定常状態になり易い•深度50m×1本の熱交換器で5kWヒートポンプを1.5~2台運用できる能力を有していると推定される。研究成果(何が分かったか):•有効熱伝導率はグラウト前後ともに既存の旧型熱交換井で測定されたものよりも非常に高く、スリットケーシングの使用、水充填などの効果があったと考えられる。•水位以浅のグラウトにより、有効熱交換長が増えることを確認できた。このため、水位が深い熱交換井ではより効果が発揮できると予想される。•熱交換器設置コスト削減の可能性が示された。今後の展開(予想含む):•冬季における暖房運転の実績評価•本システムが効率的に稼働する地下水流動場の評価•地質データに基づく本システムの熱交換器の設計高度化。•地中熱利用システムでは、気温よりも夏は冷たく冬は暖かい「地下」の有利な熱環境をヒートポンプの熱源として利用することで、高効率・省エネルギーな冷暖房・融雪が可能です。•しかし、導入には熱交換井の掘削を伴うため初期導入コストが高く、地中熱利用システム普及の阻害要因の1つとなっています。•ジオシステムの保有する本技術は、「地下水流動」を積極的に取り入れることができる構造を有する熱交換器であり、新たな電力等を導入することなく、熱交換効率の向上が期待されています。•地下水の流動が期待される地域において本技術を利用することで、地中熱利用システムの導入コストの低減が可能となり、地中熱利用普及へのブレークスルーにつながると考えられます。地下水移流効果を有効利用した高効率熱交換器のポイント「地下水移流効果を有効利用した高効率地中熱交換器」では、その地域の地下水流動を積極的に取り入れることができる構造を有することで、特別な動力を使用せずに受動的に熱交換能力を向上することができる。速い地下水流動が期待できる福島県郡山地域に本熱交換器を有する地中熱システムを設置・稼働し、その効果や省エネ性を評価する。熱交換器の解析モデルを作成開発し、新しい効率的な熱交換器の実用化に繋げる。産総研による技術シーズの評価方法ジオシステム(株)が保有する技術シーズ地域の地下水流動を積極的に取り入れることで、通常よりも少ない熱交換器で地中熱利用が可能に。→地中熱交換器設置コストの低減による地中熱利用システムのペイバックタイムの短縮が期待される!ジオシステム株式会社地下水移流効果を有効利用した高効率地中熱交換器

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る