被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
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平成25年度被災地企業の技術シーズ評価プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)共同研究技術シーズ技術的支援•地熱発電では地下2km~4km程度の深さにある「亀裂群」の中に溜まった高温の熱水や蒸気を採取してタービンを回します。•しかし、このような亀裂群は極めて偏って分布しており、それを通常の技術で見つけるのは非常に困難です。•地熱エンジニアリング(株)では,地熱水に微量の化学物質を加え、それを検出することにより亀裂群の中での流体の流れを検出する技術や,地表での重力,電磁現象のモニタリングにより亀裂群を検出する技術を独自に開発してきました。•本事業では産総研が有する地下モニタリング技術と地熱エンジニアリング(株)の有する技術を融合させ、亀裂群の検出を行うとともに地熱エンジニアリング(株)の技術について性能評価を行っています。地熱貯留層評価技術のポイント従来から使われている物理探査手法に加え、微量でも検知可能なトレーサ試験や流体生産中の地表の物理量変化などを測定し、それらの情報を加味して解析を行うことで、地熱流体が流れる断裂の分布や地下の流動現象を捉え、より正確な貯留層評価を行う独自の技術を開発産総研独自の技術(MT法3D解析、微小地震マルチプレット解析、高温対応トレーサ試験等)により、同社による各調査項目の精度を上げた再解析統合化ソフトウェアによる総合解析産総研による技術シーズの評価方法地熱エンジニアリング(株)の技術シーズ不確定性の減少による地熱開発の促進地熱コンサルタント業者の技術向上による、地熱開発への新規参入促進新技術の石油・天然ガス分野等への波及▲微小地震観測◀産総研による地熱貯留層の統合評価結果梶原竜哉1 ・安川香澄2・浅沼宏2・相馬宣和2・高橋保盛2・阪口圭一2・杉原光彦3 ・内田利弘3 ・柳澤敦雄3 ・村田泰章4 1地熱エンジニアリング株式会社2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター3同地圏資源環境研究部門4同地質情報研究部門•微小地震観測、自然電位観測、地化学(同位体)分析、重力再解析、総合解析の結果はいずれも同社によるモデルと整合的であり、同社の評価技術が適切であることを確認しました。•同社のMT法2D解析は、産総研の3D解析とほぼ同様の結果ですが、細部とくに深部で相違がみられ、より詳細な構造を見るには3D解析が推薦されます。•今回のような急峻な地形でのMT法データ解析の精度向上のためには、地形を考慮した3D解析法の開発が必要であり、産総研として今後、技術開発を行う予定です。また、より有機的にデータを統合した総合解析手法を開発していく予定です。技術の評価結果地熱貯留層評価技術の評価

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