被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
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共同研究技術シーズ技術的支援平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)暖房運転開始後、90m付近の温度低下が小さい→ 地下水の流動性が高い6:11暖房運転開始黒沼覚1・山谷睦1 ・桂木聖彦1 ・シュレスタガウラブ2・高橋保盛2・内田洋平2 ・吉岡真弓2・石原武志2 1日本地下水開発株式会社2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター産総研にて地下水の自噴地域に周辺装置を設置・実証運転を実施し、その効果や省エネ性を評価する。水文地質資料および現地地下水調査に基づいて,会津地域における導入適地マップを作成することにより,本システムの普及を促進させる。産総研による技術シーズの評価方法「自噴する井戸を利用した新熱交換方式」では、地下水が豊富で、かつその流動性が高い地域において,地下水の自噴を積極的に取り入れることができる構造を有することで、特別な動力を使用せずに熱交換能力を大きく向上することが可能となる。日本地下水開発が保有する技術シーズ地域の豊富な地下水・自噴井を積極的に利用することで、通常よりも少ない熱交換器で地中熱利用が可能に。→地中熱交換器設置コストの低減による地中熱利用システムのペイバックタイムの短縮が期待される!•地中熱利用システムでは、気温よりも夏は冷たく冬は暖かい「地下」の有利な熱環境をヒートポンプの熱源として利用することで、高効率・省エネルギーな冷暖房・融雪が可能です。•しかし、導入には熱交換井の掘削を伴うため初期導入コストが高く、地中熱利用システム普及の阻害要因の1つとなっています。•日本地下水開発が有する本技術は,熱交換井を埋め戻さず井戸仕上げすることで、地下水の有効利用が可能となります。•さらに,害時においては飲用を含めた各種水源として利用することが可能です。自噴する井戸を利用した新熱交換方式のポイント企業のシーズと産総研の評価結果:•自噴井を利用した地中熱システムを構築。•システムを高度化させ、自噴を井戸内温度で開閉制御するシステムを構築。研究成果(何が分かったか):•井戸内温度連続観測および井戸内微流速測定により、冷暖房時における井戸内の温度挙動と自噴湧出メカニズムが把握された。•冷房運転結果より、運転方法によってはCOP7以上を確認。冷房試験期間が短かった為、最適な運転方法は次年度の課題とし、目標COPは8以上。•暖房運転結果より、運転方法(10℃-12℃自噴開閉制御)でCOP5以上を確認。冬期間の地下水位低下現象が判明(GL-1m以下30.8日)。地下水位低下時の対応については次年度の課題とする。今後の展開(予想含む):•被災地3県を含む東北地方、特に積雪寒冷地への地中熱普及を加速させる目的で、冷暖房に消融雪を付加したハイブリッド型高効率地中熱システムとし、システム全体の最適化と運転方法の確立を目指す。•会津地域における導入適地マップを作成し、本システムの普及に繋げる。本研究は、独立行政法人産業技術総合研究所の平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム事業にて、課題名「自噴井を利用したクローズドループ地中熱ヒートポンプ冷暖房システムの性能評価」として採択されたもので、産業技術総合研究所より技術的協力・支援を受けたものです。結論備考井戸内温度コンター図(暖房運転2014/10/28)自噴を深度50m井戸内温度10℃-12℃で自動開閉暖房運転状況(2015/3/24)自噴井を利用したクローズドループ地中熱ヒートポンプ冷暖房システムの性能評価

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