被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
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共同研究技術シーズ技術的支援平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)結論http://www.aist.go.jp/本研究は、独立行政法人産業技術総合研究所の平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム事業にて、課題名「地下水移流効果を有効利用した高効率地中熱交換器の評価」として採択されたもので、産業技術総合研究所より技術的協力・支援を受けたものです。企業のシーズと産総研の評価結果:•地中熱利用システムの初期コスト低減につながる地下水流動の効果を利用できる地中熱交換器が企業シーズである。•夏期冷房時の性能が良いことはH25年度の測定等で確認できた。•冬期暖房時の性能評価を行う。また、地質データ等との組み合わせで効率的な熱交換井の実用化に役立てる。研究成果(何が分かったか):•期間を通してフル負荷に近いヒートポンプの冬期暖房時に対しても、地中熱交換器は十分な性能を発揮し、熱源水温度は5℃以上を維持できており、高効率であることが再確認された。•これに対し、暖房時のヒートポンプのシステムCOPは平均2.3と低かった。この原因は、暖房負荷がヒートポンプ能力よりも大きかったこと、二次側冷媒配管での損失が考えられる。今後の展開(予想含む):•地中熱利用システムとしての効率向上のために、冷媒配管設置長さの最適化を図る。•冷暖房負荷とヒートポンプ能力のマッチングを図るために断熱により負荷低減を図る。•システムのランニングコスト低減に貢献し、初期コスト回収期間10年未満を目指す。•地中熱利用システムでは、気温よりも夏は冷たく冬は暖かい「地下」の有利な熱環境をヒートポンプの熱源として利用することで、高効率・省エネルギーな冷暖房・融雪が可能です。•しかし、導入には熱交換井の掘削を伴うため初期導入コストが高く、地中熱利用システム普及の阻害要因の1つとなっています。•ジオシステムの保有する本技術は、「地下水流動」を積極的に取り入れることができる構造を有する熱交換器であり、新たな電力等を導入することなく、熱交換効率の向上が期待されています。•地下水の流動が期待される地域において本技術を利用することで、地中熱利用システムの導入コストの低減が可能となり、地中熱利用普及へのブレークスルーにつながると考えられます。地下水移流効果を有効利用した高効率熱交換器のポイント「地下水移流効果を有効利用した高効率地中熱交換器」では、その地域の地下水流動を積極的に取り入れることができる構造を有することで、特別な動力を使用せずに受動的に熱交換能力を向上することができる。速い地下水流動が期待できる福島県郡山地域に本熱交換器を有する地中熱システムを設置・稼働し、その効果や省エネ性を評価する。熱交換器の解析モデルを作成開発し、新しい効率的な熱交換器の実用化に繋げる。産総研による技術シーズの評価方法ジオシステムが保有する技術シーズ地域の地下水流動を積極的に取り入れることで、通常よりも少ない熱交換器で地中熱利用が可能に。→地中熱交換器設置コストの低減による地中熱利用システムのペイバックタイムの短縮が期待される!ジオシステム株式会社012345678010203040システムCOP熱源水ヒートポンプ入口温度(℃)熱源水温度とCOPの関係暖房時冷房時システムCOP熱源水ヒートポンプ入口温度(℃)地下水移流効果を有効利用した高効率地中熱交換器の評価高杉真司1・舘野正之1 ・吉岡真弓2 ・高橋保盛2・シュレスタガウラブ2・内田洋平2 ・石原武志2 1ジオシステム株式会社2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター備考

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