被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
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共同研究技術シーズ技術的支援平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)梶原竜哉1・井上兼人1 ・浅沼宏2・相馬宣和21地熱エンジニアリング株式会社2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター産総研で、実坑井内で使用可能な掘削装置組込み型比抵抗測定装置のプロトタイプを製作した。装置テスト用の試験井(200m)を掘削し,リファレンスデータを取得するともにプロトタイプの動作試験を実施した。産総研による技術シーズの支援方法国立公園や山岳地域の地熱開発では、傾斜井の掘削を行い地熱貯留層への到達を目指すが、掘削システムに組み込んだ自立型岩盤比抵抗測定装置により、安価かつ簡便に高傾斜の坑内での情報取得を可能にする。地熱エンジニアリングが保有する技術シーズ高傾斜の地熱井内での掘削と同時に岩盤情報を取得することが可能になる→地下状態に応じた適切な地熱開発の実現,開発リスクの低減に寄与!•貯留層に関連した物理量である比抵抗を掘削と同時に計測します。•ワイヤーを使って測定器を坑内に降下させる通常の方式と違い、大傾斜の坑内で使用が可能です。•電極配置、絶縁体の構造等を検討し、測定データに対する掘削システムの影響を極力低減しています。•メモリ,CPU等を組込み,自立型の計測を行うことが可能です。掘削時同時比抵抗測定ツールのポイント企業のシーズと産総研の評価結果:•高傾斜の地熱井内での掘削時同時比抵抗測定器の概念をもとに産総研がプロトタイプを製作し、深度200mの実坑井内で既存ツールと同等のデータを取得可能であることを示した。研究成果(何が分かったか):•高傾斜井内での比抵抗測定を可能にした。•掘削と同時に比抵抗データを取得可能にした。今後の展開(予想含む):•電子回路,シール部等の耐熱性を向上させ,実地熱井内での計測を実現する。•実用化へ向けた課題を抽出し,それらを解決する。•実フィールドでのサービスを開始する。産総研が掘削した深度200mの試験井内でのテスト結果。本ツールにより,ワイヤーラインを使用した通常の比抵抗検層結果とほぼ等しい比抵抗データを取得できた。また,組込みソフトウェアや外部からの制御システムも設計通り動作することが示された。本研究は、独立行政法人産業技術総合研究所の平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム事業にて、課題名「地熱貯留層評価支援のための掘削時同時比抵抗測定ツールの評価」として採択されたもので、産業技術総合研究所より技術的協力・支援を受けたものです。結論備考8090100110120130140150160170180190200110100既存ツール新ツール比抵抗(Ω・m)深度(m) 地熱貯留層評価支援のための掘削時同時比抵抗測定ツールの評価

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