被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
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共同研究技術シーズ技術的支援平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)八重樫聡1・渡部剛1 ・増子金市1 ・遠藤成輝2・鈴木智史2・小曽根崇2 ・河澄あかね2・熊川昌志2 ・前田哲彦2 1株式会社山王2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター(共同研究者加藤之貴東京工業大学原子炉工学研究所)産総研にて水素を用いた実験環境(水素実験ブース)を整備し、水素透過膜の耐久性および透過能測定装置を組み上げて評価する。電子顕微鏡およびX線回折装置等の試料のミクロ状態を解析できる分析装置を導入し、定量評価を行うことで透過膜の開発を加速する。産総研による技術シーズの評価方法山王が有する高度なめっき技術を応用することで、多孔質金属を作製することができる。金属であるため、現在水素透過膜に主に用いられているセラミックスよりも高強度であり、貴金属の水素透過膜層を薄くすることが可能である(→低コスト&性能向上へ)。山王が保有する技術シーズ多孔質Ni金属支持体の形成温度は、従来考えられて温度よりも100℃近くも低温で進行することが判明。→低温処理が可能になるため、省エネルギー化に繋がる成果!さらに界面の相互拡散も抑制され、耐久性向上に期待!!•現在、貴金属系水素透過膜は高温水素雰囲気における強度を担保するためにセラッミク等を支持体に用いている。しかし既存技術では高温における強度が不十分であり、強度確保のため貴金属層を10μm以上にする必要がある→限られた実用範囲&高コスト化。•めっき技術を応用し、多孔質形状のNi金属支持体を作製して水素透過膜の支持体に用いることを提案。•貴金属層と支持体が同質金属のため、高温でも強度があり、貴金属層を1~2μmに低減可能(従来の1/10)。めっき技術で作製される多孔質Ni金属支持体のポイント企業のシーズと産総研の評価結果:•めっき技術により多孔質Ni金属支持体を開発。•専用の実験装置で実験し、分析装置でミクロ組織を測定・評価。研究成果(何が分かったか):•多孔質化挙動を電子顕微鏡中で加熱してその場で観察。•多孔質化が従来考えられていた温度より100℃近く低温で生じることが判明→低コスト化&耐久性の向上に資する結果。今後の展開(予想含む):•支持体の多孔質化への熱処理条件の最適化。•耐久性向上に向けたNi合金による新規支持体の開発。•貴金属使用量の大幅低減に向けた新規支持体の検討。高温水素雰囲気保持装置水素透過能評価装置本研究は、独立行政法人産業技術総合研究所の平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム事業にて、課題名「めっき技術を利用した水素透過膜支持体の開発として採択されたもので、産業技術総合研究所より技術的協力・支援を受けたものです。結論備考多孔質金属支持体層(シーズ技術)水素透過膜層(1~2μm)≦10μm専用の水素実験ブースシーズ技術で作製された水素透過膜水素センサ金属系水素透過膜の実験装置電解放出形走査電子顕微鏡断面観察めっき技術を用いた水素透過膜支持体の開発~水素だけを通す金属膜で100%純水素の精製~

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