被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
39/65

共同研究技術シーズ技術的支援平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)関口龍一郎1・江幡卓典1 ・渡邉佑亮1 ・古谷博秀2・宍戸千春2 1東北ネヂ製造株式会社2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター太径ボルトの中心や表層からテストピースを採取し、引張試験(単純強度試験)、疲労試験を行うと共に、洋上風力発電などで問題視される遅れ破壊の原因とされる水素脆化に関する試験を実施。産総研による技術シーズの評価方法熱間鍛造と熱処理を連続一体化する加工熱処理(改良オースフォーム)により、ミクロ組織を制御し一般熱処理では得られない組織(緻密な階層構造を有するマルテンサイト組織)を得ることで、従来より安価な材料でも耐疲労特性、耐水素脆化特性に優れた強度信頼性の高いボルト製造を行う技術。東北ネヂ製造(株)が保有する技術シーズ・東北ネヂ製造株式会社の高強度ボルトについて、遅れ破壊試験を実施し十分な安全性を確認した。・改良オースフォームにより、さらに強靭なボルトを製造出来る可能性が見出され、その方向性が示された。→高信頼高強度安価なボルトの開発により風車の価格低減、メンテナンス費の低減が図れ、普及への貢献が期待できる!•遅れ破壊試験を実施し十分な安全性を確認した。•僅かな熱処理条件の変更により、疲労限度が向上する知見が得られた。•オースフォームド効果による実効的な結晶粒微細化により、遅れ破壊を防止する可能性が示唆される。•遅れ破壊特性が優れ、さらに高強度のボルト開発の手掛かりが得られた。技術の評価結果企業のシーズと産総研の評価結果:•【企業のシーズ】熱間鍛造と熱処理を連続一体化する加工熱処理(改良オースフォーム)により、ミクロ組織を制御し一般熱処理では得られない組織(緻密な階層構造を有するマルテンサイト組織)を得ることで、従来より安価な材料でも耐疲労特性、耐水素脆化特性に優れた強度信頼性の高いボルト製造を行う技術。•【産総研の実施内容】太径ボルトの中心や表層からテストピースを採取し、引張試験(単純強度試験)、疲労試験を行うと共に、洋上風力発電などで問題視される遅れ破壊の原因とされる水素脆化に関する試験を実施。研究成果(何が分かったか):•東北ネヂ製造株式会社の高強度ボルトについて、遅れ破壊試験を実施し十分な安全性を確認した。•改良オースフォームにより、さらに強靭なボルトを製造出来る可能性が見出され、その方向性が示された。今後の展開(予想含む):•今後は、熱処理方法に検討を加え、素材の元素組成も考慮し、より高信頼性高強度なボルト開発に向けて、さらなる改良を目指す。本研究は、独立行政法人産業技術総合研究所の平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム事業にて、課題名「長期強度信頼性に優れた風力発電分野向け太径ボルトの開発」として採択されたもので、産業技術総合研究所より技術的協力・支援を受けたものです。結論備考長期強度信頼性に優れた風力発電分野向け太径ボルトの開発

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る