被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
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共同研究技術シーズ技術的支援平成26年度被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)産総研による技術シーズの評価方法•太陽光に含まれる紫外線は、モジュール材料の劣化につながるので、一般的に封止剤中には紫外線吸収剤を導入しています。•しかし、このことにより紫外線を太陽電池セルが吸収できないという課題が生じていました。•(株)クレハの保有する本技術では、紫外線吸収剤の代わりに紫外線をより長い波長の光に変換することが可能な波長変換化合物を導入することため、モジュール部材の劣化の低減と変換効率の向上が期待されています。•波長変換材料や、封止剤への混入割合などの改善を進めてきた結果、従来品に比べ、全波長域(250-1250nm)では相対比約1.57%(電流値換算で、38.1mA/cm2から38.7mA/cm2)、そのうち250-400nmの短波長域で考慮すると42.3%の変換効率向上に相当する効果を得ることができました。波長変換化合物のポイント株式会社クレハ会社概要事業内容機能製品、化学製品、樹脂製品の製造・販売所在地株式会社クレハ福島県いわき市錦町落合16TEL: 0246-63-5111資本金124億6,000万円設立1944年6月21日波長変換剤を含む封止材昨年度の波長変換材を改善することで、短波長側全域で感度が向上。紫外光光照射現行封止材波長変換剤含有波長変換剤作製したモジュールの分光感度セルの変換効率1.57%の向上に相当紫外光領域の光を吸収し、より結晶シリコン太陽電池が利用しやすい別の波長領域(可視光)で発光することができる波長変換材料を開発株式会社クレハが保有する技術シーズ株式会社クレハ波長変換を用いることで、短波長感度を向上させることができた。この効果により、全波長域(250-1250nm)では相対比約1.57%の変換効率向上に相当する効果を得た。結晶シリコン太陽電池モジュールの作製設備を用意し、本材料を用いたモジュールを実際に作製する。作製したモジュールの効率や耐久性などの性能評価を行うことで、本材料の実用化を目指す。若松明子1・鈴木翼天1 ・上遠野正孝1 ・浅尾秀一2・望月敏光2 ・白澤勝彦2・高遠秀尚2 1株式会社クレハ2独立行政法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター波長変換化合物の特性向上と封止シートとしての性能評価

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