被災地企業のシーズ支援プログラムH25~27年度
59/65

H27被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)No.15蒸発しない液体を用いて効率よく熱を移動する技術支援課題名「リン系イオン液体の高温熱媒体の開発」企業名:日本化学工業株式会社(福島県)企業が保有する技術シーズの内容:•無電解ニッケルメッキの還元剤となる次亜リン酸ソーダの製造工程で副生するホスフィンガスから高付加価値製品を生産•不揮発性・難燃性のリン系イオン液体をシリーズで開発•良好な熱伝導性と優れた高温耐久性を持ち、蒸発潜熱が無い熱媒体として利用産総研による技術シーズの評価方法:•昨年度の評価で、リン系イオン液体がシリコンオイルの1.3倍近くの熱容量を有し、既報のイオン液体群の中でもトップクラスの性能を示すことを確認•熱媒体の性能評価のために必要な計測機器を産総研が用意.伝熱流動に関連した熱物性(密度、熱容量、熱伝導率や粘度など)を計測•イオン液体水溶液の気液平衡物性データを取得して、熱媒体の性能を精密に評価•実際の使用条件を想定して腐食試験を実施•リン系イオン液体を熱媒体として利用するための最適な分子デザインや設計指針を導出波及効果(どのように役立つか?):•副生成物を高付加価値製品に転換することで新しいビジネスプランを創出•太陽熱利用給湯システムなどの導入普及の促進高付加価値化企業の持つ技術シーズ・高温耐久性に優れ、蒸発潜熱が無い熱媒体・リン系イオン液体の開発技術テーマ①テーマ②リン系イオン液体の熱物性の計測評価イオン液体水溶液の気液平衡物性評価技術シーズの評価方法伝熱流動に関連した熱物性の計測装置を産総研が用意して実測、シミュレーションにより熱媒体の性能を評価.熱媒体として最適なリン系イオン液体を共同開発評価テーマ共同研究先:日大工学部児玉准教授、産総研・コンパクト化学システム研究センター原料無電解ニッケルメッキの還元剤用途例:太陽熱給湯システムの熱媒体などリン系イオン液体既存製品副生成物熱容量30%up (vs.シリコンオイル)H27被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)No.16熱を無駄なく利用する技術(熱と電力のカスケード利用技術)支援課題名「スクロール膨張機を用いた熱利用発電システムの性能評価」企業名:アネスト岩田株式会社(福島県)企業が保有する技術シーズの内容:•スクロール膨張機を搭載した少量低圧水蒸気を熱源とする水蒸気発電技術。•90℃未満の低温水から電力を得るバイナリー発電システム構築技術。軽負荷型スクロール膨張機を搭載し国内温泉に多い100L/min以下の少湯量にも対応可能。産総研による技術シーズの評価方法:•太陽熱蒸気発生装置に最適化されたスクロール膨張機による熱蒸気発電システムの評価および数kW級発電機への膨張機の適応検討。•ランキンサイクルを用いた小型熱利用システムの地熱ポテンシャルに対する熱利用効率などの評価。波及効果(どのように役立つか?):•開発拠点を福島県矢吹町に移管し、生産・開発一貫体制による再生可能エネルギーを利用した発電システムの開発・雇用促進。•太陽熱や工場排熱、既存温泉等の小規模地熱における、発電・暖房・給湯の熱のカスケード利用による熱と電力の普及型創エネモデルの構築企業の持つ技術シーズ・スクロール膨張機による熱利用発電システム技術シーズの評価方法・太陽熱蒸気発生装置,計測装置を産総研が用意し、水蒸気発電システムの効率や発電性能を測定・アネスト岩田で検証中のバイナリー発電システムの効率評価バイナリー発電ユニット水蒸気発電ユニット温熱源太陽<太陽熱蒸気発電システム>熱の二次利用<小型熱利用システム>

元のページ  ../index.html#59

このブックを見る