被災地企業のシーズ支援プログラムH27~28年度
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8被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)・r03太陽電池モジュール用バックシートの高性能化支援課題名「粘土ガスバリア膜を含む高信頼性太陽電池モジュールの開発」企業名:クニミネ工業株式会社(福島県)企業が保有する技術シーズの内容:•天然粘土鉱物であるペントナイトを原料としたガスバリア材料を開発。•既存のガスバリアフィルムの中でもトップレベルのガス・水蒸気遮断性能を有している。•産総研東北センターで開発された技術を粘土膜材料として実用化したもの。•開発したガスバリア材料を太陽電池モジュールのバックシートに適用する。産総研による技術シーズの評価方法:•開発したバックシートを用いて評価用の太陽電池セルおよびモジュールを作製する。•モジュールの性能(変換効率)・信頼性(高温高湿試験など)の評価を行う。年度の成果:•安価なシートと粘土ガスバリア膜を複合化したバックシートは、すぐれた耐湿性能を示した。波及効果(どのように役立つか?):•太陽電池モジュールの性能の長期安定性や長寿命化が図られる。•従来の樹脂製バックシートが使用できないような環境下においてもモジュールの長期信頼性の向上が期待される。バックシートクニミネ工業株式会社産総研•天然粘土鉱物であるペントナイトを原料としたガスバリア材料を用いたバックシートを作製。•複合化したバックシートを用いたモジュールは、高温高湿試験や冷熱衝撃試験において良好な特性を示した。•太陽電池モジュールを作製し、信頼性などを評価する。•より実用化しやすい粘土膜を含む複合化膜を用いたバックシートに対し、信頼性試験等を行う。•膜構造の最適化によるコストの低減を図るとともに、より厳しい環境下での使用用途を開拓する。年度成果年度計画冷熱衝撃試験後の検査右が複合化膜の結果8被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)04有機鉛ペロブスカイト型太陽電池における有機アミン材料の開発支援課題名「ペロブスカイト組成物の性能評価」企業名:株式会社クレハ(福島県)企業が保有する技術シーズの内容:•有機鉛ペロブスカイト型太陽電池のペロブスカイト発電層に含まれる有機アミン材料を新規開発。•簡易評価キットを用いた溶液系での検討において、既存材料と比べて高い光電変換特性を示す。•既存の有機アミン基よりも分子量が大きく、材料劣化の1つの原因である有機アンモニウムイオンの拡散現象の低減が期待される。産総研による技術シーズの評価方法:•ペロブスカイト型太陽電池の作製評価技術に実績のある産総研において、新規材料を用いた全固体型素子を作製し、光電変換特性や耐久性に関する評価を行う。波及効果(どのように役立つか?):•光電変換特性や耐久性が既存材料を使用した素子より高いことが判明すれば、ペロブスカイト発電層に含まれる有機アミン材料として広く使用される。低コストで軽量・フレキシブルな太陽電池として実用化され、これまで設置不可能な場所にも設置でき、市場拡大が見込まれる。技術シーズ有機鉛ペロブスカイト型太陽電池の結晶構造産総研の技術支援*新規材料を含む全固体型太陽電池素子の作製*光電変換特性や耐久性に関する評価*既存材料より高い変換効率溶液系*既存のアミン基よりも大きな分子量⇒拡散現象の低減で耐久性向上*有機アミン材料の製造販売*材料+太陽電池製造技術を共同開発*低コストで軽量・フレキシブルな太陽電池として、大きく市場が拡大実用化有機アミン鉛ハロゲン新規有機アミンからへ− 30 −

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