被災地企業のシーズ支援プログラムH27~28年度
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8被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)13液体の塩を用いて水素から水蒸気を効率よく取り除く技術支援課題名「イオン液体を用いた除湿・脱水プロセスの開発」企業名:日本化学工業株式会社(福島県)企業が保有する技術シーズの内容:•無電解ニッケルメッキの還元剤となる次亜リン酸ソーダの製造工程で副生するホスフィンガスから高付加価値製品を生産•不揮発性・難燃性のリン系イオン液体をシリーズで開発•優れた高温耐久性を持ち、水との親和性が高い吸収液を提供産総研による技術シーズの評価方法:•水素製造設備の条件で、イオン液体を吸収液として模擬試験を実施し、除湿・脱水プロセスの効率を評価•イオン液体水溶液の気液平衡物性データを取得して、水蒸気用吸収液としての性能を評価•リン系イオン液体を水蒸気吸収液として利用するための最適な分子デザインや設計指針を導出波及効果(どのように役立つか?):•副生成物を高付加価値製品に転換することで新しいビジネスプランを創出•高温耐久性を持つイオン液体を用いることで、高温化で水素除湿を実現。水素製造設備の除湿・脱水用の吸収液として普及を促進高付加価値化企業の持つ技術シーズ・高温耐久性に優れ、水との親和性が高い吸収液・リン系イオン液体の開発技術評価テーマ①イオン液体を吸収液とした除湿・脱水プロセスの評価②イオン液体水溶液の気液平衡物性評価技術シーズの評価方法水電解水素を想定して、除湿模擬試験を実施し、除湿・脱水プロセスの効率を評価.物性評価を通じて、蒸気吸収液として最適なイオン液体を共同開発共同研究先:日本大学工学部児玉大輔准教授(福島県郡山市)産総研・化学プロセス研究部門(東北センター)原料製造無電解ニッケルメッキの還元剤等用途:水素製造設備の除湿・脱水用の吸収液リン系イオン液体既存製品副生成物日本化学工業福島第二工場(三春)産総研水電解装置再エネで水素を製造。電解水素は、電解温度(最大℃)露点の水分含有。イオン液体で除湿→高純度水素を製造H2WetH28被災地企業のシーズ支援プログラム(福島再生可能エネルギー研究開発拠点機能強化事業)14未利用熱から質の高い熱をつくる技術支援課題名「ヒートポンプ用スクロール圧縮機の性能評価」企業名:アネスト岩田株式会社(福島県)企業が保有する技術シーズの内容:•小型熱回収ヒートポンプに求められる高温媒体・高圧縮比に対応した圧縮機構をもつ高精度スクロール圧縮機製造技術。•既存スクロール圧縮機の弱点を克服する多段圧縮機構により、小型熱回収ヒートポンプに適切な出力以上が可能産総研による技術シーズの評価方法:•小型ヒートポンプ用スクロール圧縮機の基本的な熱効率、負荷変動の対応、耐久性などの評価を行なう。波及効果(どのように役立つか?):•ヒートポンプ用スクロール圧縮機は日米欧を市場とする多数のヒートポンプメーカーから引き合いがあり、福島発の環境機器として世界的な展開が可能。•ヒートポンプのコアとなる圧縮機の最適化により、ヒートポンプ製品としての性能が向上し、これまで小規模であったことが原因で未利用となっていた熱をより効率的に活用できる手段を提供でき、再生可能エネルギーの利用拡大につなげることができる。排熱などの低質な熱源昇温して利用価値向上スクロール圧縮機を利用したヒートポンプ企業の持つ技術シーズ・小型熱回収ヒートポンプ用スクロール圧縮機・ヒートポンプ用スクロール圧縮機の性能評価システムを産総研が用意し、熱効率、負荷変動の対応、耐久性などを評価技術シーズの評価方法•旋回スクロ-ルが旋回するにしたがって内部容積は徐々に小さくなり、媒体が圧縮されて中心部のポ-トから吐出される。•チップシールが漏れを防ぐ。•トルク変動が小さく低騒音。スクロール圧縮機旋回スクロール固定スクロール<スクロール圧縮機>圧縮された熱媒蒸気媒体を圧縮吐出温度100℃以上数十級の加熱能力で低質であるがゆえに利用価値が低かった熱を質の高い熱にして再利用− 35 −

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