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企業の声:株式会社環境システムヤマノ

取材日:2017年2月2日

被災地企業のシーズ支援事業インタビュー

株式会社環境システムヤマノ
代表取締役 板鼻 幸作様

担当研究者:再生可能エネルギー研究センター
エネルギーネットワークチーム
研究チーム長 大谷 謙仁

自社アイディアの顕在化と大きな発展に寄与

当事業を知ったきっかけと応募理由をお聞かせください。

株式会社環境システムヤマノ:
福島大学の人材育成プログラムに参加し、再生可能エネルギーについて学ばさせていただきました。その中で産総研が福島に開所したということをお聞きしました。再生可能エネルギーであれば、私共が以前からやっておりましたアモルファス太陽電池の融雪技術を、単結晶パネルでも技術開発を進められるのではないかと考え、福島大学 森本教授から産総研をご紹介いただき、研究者の方に当方の研究をご説明してご理解いただき、応募させていただきました。

従来の化石燃料融雪はお金をかけても何も残りません。しかし雪国で暮らす人々にとって屋根からの雪下ろしは、肉体的負担、経済的負担にもなり、人的事故の原因にもなっています。それをいかにして減らすことができるかを目指しています。太陽光パネルによる融雪方法は、雪の降り方、外気温によって違うことから、地域地域によって融雪設定を変えていかなければなりません。この場所でよくても、他の地域に行ってしまうと効果を発揮しません。

現在、アモルファスの屋根材を利用した融雪システムを降雪地で売り出し、ランニングコストの経済的損出は解消されています。現在も融雪システム導入を待っている方がいます。各地域で融雪条件が違うことから、産総研と一緒にやることにより学術的なデータをいただくことがで来ています。

当所研究者に技術的支援(具体的な取り組み)を受けた感想・効果をお聞かせください。

株式会社環境システムヤマノ:
自社ではできない研究開発、実証を一緒にしていただくことができました。また、我々単独ではできないような企業様とのマッチング、橋渡しをしてくださったり、人材的に多くの方と知り合うことができました。

困った点等はなく、分かりやすく、むしろ親身になって相談に乗っていただけて大変ありがたかったです。評価なども一緒に話し合いをしながら進めていただけたので感謝しています。建物によっても融雪条件が違うので、評価をして良いものを製品化しています。

産総研と一緒にやることで御社内の研究活動や体制、技術者の意識などに何か変化などありましたか?

株式会社環境システムヤマノ:
我々だけではできない研究や実証試験をやることができました。自分の考えているものが実際に合っているのか、それが採用されるのかは、「当たって砕けろ」と言う思いで応募しました。今まで自分ひとりで研究開発を進めて来ましたたが、一緒に研究開発を進める者が一人増えました。また、産総研と一緒にやることで、福島県の補助金を受けることができ、いろいろな試験を実施することができています。

研究の現状と課題について教えてください。

株式会社環境システムヤマノ:
技術的ゴールは9合目まで来ていて、ほぼ完成に近いです。次は、施工コスト削減・生産をどうしていくかが課題です。

事業化の予定について教えてください。

株式会社環境システムヤマノ:
現在事業化のため、販売代理店を希望される方々と話をしていますが、生産体制づくりをしてから対応していきたいと考えている段階です。

産総研の支援により、事業化予定の前倒し・加速などの効果はありましたか。

株式会社環境システムヤマノ:
シーズ支援事業は、事業化の前倒しになりました。試験結果などを見て、これは販売できる、と判断できたものを事業化することとしました。研究に関した試験方法などは研究員から提示していただき進めています。

ハイブリッドPVの展開(発展)について、可能な範囲で教えてください。

株式会社環境システムヤマノ:
ハイブリッド太陽電池モジュールは、NEDOプロジェクトで日清紡メカトロニクス(株)さんが開発し、実証試験を実施されています。太陽光で発電しながら、パネル裏に赤外線配管を設け通水することでお湯ができ、それを足湯に利用しています。当社製品ができあがれば、一緒にやらしていただくことになっています。

ユーザ側としましては、太陽光パネルを1度設置すれば現在は20~25年で使えない部分が出てきます。そのパネルは、撤去するか放置するかのどちらかですが、撤去する場合は、施工と同じくらい費用がかかってしまいます。ユーザが、長寿命(現在は20年、将来は60年寿命)の太陽光パネルを取り付けることにより、産業廃棄物が出にくくなります。併せて、販売単価も安くなります。太陽光パネルの長寿命化で、一度設置すれば60年保ってくれるようになります。売る側としましては、60年の寿命ですと利益が出ない分メンテナンスなどを実施していく事になると思います。

事業化に向けて残っている課題に対して期待する支援を教えてください。

株式会社環境システムヤマノ:
産総研の中で作り上げた技術を我々が理解して利用し応用していくことがあってもいいのではないかと思います。シーズ支援事業で支援を受けている企業間の横の付き合いがありません。何かの会があって集まることがあったとしても、集まっただけが現実で、そこから先の交流はありません。

例えば、水素を応用したいと考えていても接点がないのでその先へ進めません。屋根は我々、では庭は、となったときにどうしたらいいのか、など色々な事を考えている企業は居ると思います。例えば地中熱とコラボして雪を融かせることはできるのではないかなど。企業と企業のシーズをつなげられれば、顧客へ再エネ機器の全体システムとして提案しやすいと考えています。

当事業についての意見や改善点または魅力など教えてください。

株式会社環境システムヤマノ:
他の方からお聞きすると産総研は敷居が高く、案件を持ち込んでも応じて貰えないのでは・・・という話をよく聞きます。 私自身は「当たって砕けろ」という思いでやってます。

御社での公的支援制度の活用実績を教えてください。

株式会社環境システムヤマノ:
以前から色々なことをしていて、国の機関等との付き合いがありました。公的支援などの情報収集は、以前は新聞などで情報を収集していましたが、現在はインターネットを通じて情報収集をしています。提案書は外部に頼らず、自分で書き申請しています。

東日本大震災の後、御社で新たに取組んでいることはありますか?

株式会社環境システムヤマノ:
現在の事業が、震災後に取り組んだのがモノです。

産総研又はFREAに望むこと、期待することはありますか?

株式会社環境システムヤマノ:
FREAに期待することは、新入社員の研修・技術指導及び人材派遣です。他の企業もそうだと思いますが、自分の会社に入った社員に対する(再エネに関する)研修などがあれば良いと思います。

今後、再エネの技術を活用したいと考えている(が、まだ踏み出せていない)企業の方へのメッセージをお願いします。

株式会社環境システムヤマノ:
当たって砕けろの精神です。敷居が高いと考え出すと、どんどん壁は高くなってしまうと思います。 自分の考えがどうなのか、まず聞いて貰うと良いと思います。

これまでの支援状況

太陽光分野、再エネ管理分野
  • 新しい融雪型太陽電池モジュール、システムの開発(平成26年度)
  • 単結晶パネルとアモルファス融雪PVモジュールにおける発電量及び劣化の検証(平成27年度)
  • 単結晶Si太陽光パネルとアモルファスSiシートにおける長期信頼性の検証(平成28年度)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所